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　うどん、そうめん、カップ麺、パスタ、麺類は、大人から子どもまで不動の人気を誇る食品です。麺類にはさまざまな種類がありますが、多くは、小麦粉を主原料として使用して作られます。

　小麦製品では、原材料が、輸入小麦を使用している場合、除草剤グリホサートによるプレハーベスト処理が行われている可能性があり、その影響を受けた残留が確認されることがわかっています。これまでに報告してきた小麦製品のグリホサート残留調査（新品 ZETT(ゼット)プロステイタス 硬式グローブ 内野用 グラブアル様専用エプソン　エムトレーサー MT500GP）では、プレハーベスト処理由来と考えられるグリホサートが最終製品まで残留している状況を確認してきました。このような例を考慮すると、麺類にもグリホサートが残留している可能性があると考えられました。

　そこで、この調査では、身の回りにあり、人気の高いインスタント麺や乾めんなどの商品についてグリホサートの残留調査をおこないました。その結果、多くの製品からグリホサートが検出されることを確認しました。これはそのレポート第1報になります。

分析方法などについて

• サンプルの入手期間は、2019年4月から9月にかけて、店舗からの購入により入手しました。
• 即席カップめん10製品、即席中華めん1製品、干しめん6製品、むし中華めん2製品、マカロニ・パスタ4製品の合計23製品でした。
• グリホサートの残留検査は、高速液体クロマトグラフ質量分析計を利用した弊センター開発のグリホサート試験法で実施しました。検査対象成分は、グリホサートおよびその代謝物AMPA、グルホシネートとなっています。本試験による定量限界は、グリホサート0.01 mg/kg、AMPA0.1 mg/kg、グルホシネート0.01 mg/kgです。試験系は、原則メタルフリーで行っています。
  • LC/MS/MS法の条件について
    高速液体クロマトグラフ質量分析計：島津製作所製LCMS -8050
    分析カラム：InertSustain C18(metal free column) 3um, 2.1x150mm
    データ処理：島津製作所製LCMS Solution / Insight
    定性・定量：ESI/MRM

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　表1に示すように、23製品中13製品でグリホサートの検出が認められました。加工係数を勘案しても、小麦に設定をされている残留基準値30 ppmを超過すると考えられる商品はありませんでした。

　なお、「痕跡」は、定量限界以下、検出限界以上で検出があったことを示します。わかりやすく説明をしますと、本分析法で、残留は確認できるが、統計的に濃度が決められるほどの検出ではなかったという意味です。食品衛生法上は、不検出と同等と扱われます。

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• 23製品の検査を行ったところ、13製品からグリホサートの検出が認められました。国内産小麦または有機栽培小麦を使用している製品からは検出は認められませんでした。
• 検出が認められた13製品の残留値は、加工係数を勘案しても、小麦に設定をされている残留基準値30 ppmを超過すると考えられる商品はありませんでした。
• 焼きそば用のむし中華めん2製品は、他の麺類と異なり、水分を含んだ商品にあたります。栄養成分表示などから含水率を推測しますと、重量の50%程度が水と考えられます。他の乾めん製品に近い条件として検出された数値を比較するなら、1~2倍程度、検出値に補正をしてみるとよいのかもしれません。
• 日本即席食品工業協会の統計データによると、日本で製造されているインスタントラーメンの総生産量は、57億1,628万食だそうです（2019年）。最も多いのが、プラなどのカップに入ったカップめんで、39億7021万食、続いて袋麺が15億9870万食、生タイプが1億4736万食となっています。生産されるインスタントラーメンが、全て消費されると仮定すれば、年間一人あたり約45食程度を食べている計算になります。月3~4食ですから、手軽な国民食的位置づけにあると言えます。（ちなみに、約9078万食は、海外に輸出されているようです）
  　同協会の統計には、一年間に、日本のインスタントラーメン製造（カップ、袋、生）に使用された小麦粉は、28.7万トンとされています。単純に上述の57億1,628万食で割り算すると、一商品あたりおよそ50gほど小麦が使用されている計算になります。
  　一人あたり年間45食の消費ですから、50 g x 45食で、2,250 g（2.25kg）の小麦を食べていることになります。流通する全ての製品が、今回の調査で検出された最大値0.05 ppmでの残留があると仮定すると、一年間にインスタントラーメンから摂取するグリホサートの総量は、0.05 ppm x 2.25 kg = 0.1125 mgと見積もることができます。現状、グリホサートの一日摂取許容量（ADI）は、1mg/kg体重/日と国によって評価されているため、その数字と比較をすれば、摂取量は十分に小さいと評価されるものです（体重50kgの人の場合、グリホサートの一日摂取許容量は、1 mg/kg体重/ 日 x 体重50kg = 50mg/日となり、一日50mg程度のグリホサートを摂取し続けても影響はないということになる）。ただ、小麦製品の摂取量が多い世帯などについては、そのほかの小麦粉製品からの摂取分に上乗せされていくことにはなりますので、その認識は必要であると思います。
• ただし、グリホサートとADIの関係は、農薬原体としての評価が元になっていますが、実際に散布されるグリホサートを含む除草剤製品との間には、影響性、作用性の差があることを指摘する研究論文があります。岩波書店の月刊「科学」（2019年Oct. 2019 Vol.89 No.10）の「除草剤グリホサート/「ラウンドアップのヒトへの発がん性と多様な毒性性＜上＞」（木村-黒田純子/脳神経科学情報センター）には、以下のように紹介、まとめられています。
  
  "特にグリホサートとその農薬製剤「ラウンドアップ」などでは、農薬製剤の毒性が、約100倍も高いことが複数の研究で報告されており、細胞レベルでも動物実験でも、製剤の高い毒性が明らかとなっている。これは、グリホサートに毒性がないというのではなく、添加剤によってグリホサートが極めて高い毒性になることを示している。" マルキュー　バッカンセット
  
  つまり、私たちが食べている輸入小麦の生産では、原体であるグリホサートのみが散布されているわけではなく、ほかに界面活性剤などが混合された「製品」が散布されていることから、このような論文の結果に基づいて考えますと、単純に現状のADIだけでは、比較評価できない影響への指摘があることを理解しておく必要があります。
  
• これらの製品で、グリホサートの検出が認められるのは、大手メーカーなどが検出される小麦を、敢えて選んで製造しているということではなく、単に輸入小麦を使用すれば、生産地での栽培法の関係、残留のある原材料を使用する可能性が高くなるということだと考えられます。現状では、この課題を避けるには、日本の主な小麦の輸入先であるアメリカ、カナダ、オーストラリアで、プレハーベスト処理がおこなわれないようになるか、国産小麦もしくは有機栽培小麦に原材料を切り替えるか、などの選択肢が上げられます。
• 市販カップ麺類のグリホサート残留調査は、第2報をまとめているところです。公開までしばらくお待ちください。

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• 　即席中華めんの「サッポロ一番塩ラーメン」の製造者名が「日清食品(株)」になっていました。正しくは、「サンヨー食品(株)」でしたので修正しました。ご指摘ありがとうございました。

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